草木染め・藍染め製品のお手入れガイド

草木染め・藍染め製品のお手入れガイド

自然の色を永く楽しむために

草木染めや藍染めは、古来より人々の暮らしに寄り添ってきた染色技法です。植物や土、木の実、樹皮などの自然の恵みから色を抽出し、布に染め上げることで、化学染料にはないやさしく温もりある色合いが生まれます。

その風合いを保ち、永く楽しんでいただくためには、少しの気遣いと理解が大切です。このページでは、草木染め・藍染めの魅力と特徴、製品を永く楽しむためのケア方法を詳しくご紹介します。

草木染め・藍染めの魅力と特徴

自然から生まれる色の奥深さ

草木染めや藍染めの最大の魅力は、自然そのものから抽出した色の豊かさにあります。桜の枝からは淡い赤み、五倍子(ごばいし)からは落ち着いたグレー、藍の葉からは深い藍色と、染料ごとに異なる表情を見せてくれます。

さらに、同じ植物から染めても、育った季節や天候、収穫時期によって色の出方は微妙に変化します。布の種類や織り方によっても、同じ染液で染めても発色が異なります。つまり、全ての染め製品が「世界に一つだけの色」なのです。

手仕事の痕跡を楽しむ

均一な色ではなく、あえて残る色ムラや濃淡も草木染めならではの魅力です。これは機械的な大量生産品にはない、手仕事ならではの味わい。自然の風景のように、見るたびに新たな美しさを発見できます。

ご使用前に知っておきたい注意点

色ムラ・再現性の難しさ

化学染料に比べて、草木染めは染料そのものが不安定で繊細です。そのため、全く同じ色を再現するのは非常に難しい技術になります。追加注文の際も「全く同じ色にはならない可能性がある」ことをご理解いただければと思います。

シミが浮き出る可能性

草木染めでは、染料が布に定着する際に、布の表面に残っていた成分(汗、食べこぼし、たんぱく質など)に反応して、後からシミのように見えることがあります。これは天然染料ならではの特性です。

貴久では、染色前に丁寧に洗浄を行っておりますが、元の繊維の中に入り込んだ汚れは完全には落としきれない場合もあります。シミが出たとしても、自然の現象として受け止めていただければ幸いです。

正しいお手入れ方法5つのポイント

1 手洗いで優しく洗う

草木染め・藍染め製品は非常に繊細なため、基本的に手洗いを推奨しています。洗濯機の脱水や強い回転は、生地や染料に大きなダメージを与える可能性があります。

推奨方法:40℃以下のぬるま湯を使い、中性洗剤もしくは天然成分の洗剤(石けん系、柿渋など)を使用し、やさしく押し洗いしてください。ゴシゴシ擦らず、軽く押し出すように洗うのがコツです。

2 色移りを防ぐために

天然染料は摩擦や湿気に弱いため、洗濯中・使用中に色移りすることがあります。特に新品の製品や初回の洗濯では注意が必要です。

注意点:

  • 白物・淡色衣類と一緒に洗わないこと
  • 濡れた状態で放置しないこと
  • バッグや座面などに長時間触れさせないこと

3 匂いの残留について

藍染めには独特の香りがあります。これは天然藍が持つ発酵由来の香りで、体に害はありません。

「草っぽい」「土っぽい」と感じることもありますが、使用や洗濯を重ねるうちに、だんだんと薄れていきます。どうしても気になる場合は、洗濯後に風通しのよい場所で陰干しするのがおすすめです。

4 日陰干し&保管方法

紫外線は天然染料にとって大敵です。直射日光に長時間さらすと、色褪せが早く進みます。

推奨方法:洗濯後は、風通しのよい日陰で陰干ししてください。保管時は、湿気の少ない暗所、可能であれば通気性のある袋や木綿の風呂敷に包むのが理想です。

5 アイロンがけの注意点

高温で直接アイロンをかけると、生地が変色したり染料が反応してしまう可能性があります。必ずあて布を使用し、中温(150℃以下)で短時間で仕上げてください。

スチームアイロンの場合:アイロンを浮かせてスチームだけを当てるようにするか、間にガーゼや薄布を挟むと安心です。

長く愛用するための3つの工夫

酸性物質に注意

草木染めは酸に弱いという性質があります。お酢、柑橘系の果汁、ドレッシングなどの酸性物質が布につくと、部分的に色が抜けたり変色することがあります。

対策:食事や調理の際には、エプロンやナプキンのご使用をおすすめします。万が一ついた場合は、すぐに水で洗い流してください。

金属との接触を避ける

草木染めは鉄や銅などの金属イオンと反応することがあります。湿った状態で金属と長時間接触すると、染料が反応して黒ずみや変色が生じる場合があります。

対策:特に、ハンガーやボタン、金具類との接触にはご注意ください。ステンレス製やプラスチック製のハンガーを使うのがおすすめです。

経年変化を楽しむ

草木染め製品は、使い込むほどに風合いが変化していきます。色が少しずつ淡くなったり、手に馴染んだような感触になったりと、その過程もまた「育てる」楽しみのひとつです。

ポイント:長く使うことで、自分だけの表情を持った一品になります。染め直しや補修を繰り返しながら、ぜひ永く付き合ってみてください。

よくあるご質問(FAQ)

洗濯はどのくらいの頻度で大丈夫ですか?

必要な時に、できるだけ優しく手洗いを行ってください。頻繁な洗濯は色落ちを早める原因となります。

シミのようなものが浮き出てきました。

染色前に残っていた成分(油、たんぱく質など)が染料と反応して現れることがあります。使用には問題ありませんが、気になる場合はご相談ください。

色が薄くなってきた気がします。染め直せますか?

はい。当店では染め直しのご依頼も承っております。生地の状態を確認の上、最適なご提案をさせていただきます。

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草木染めや藍染めの製品は、ただの「モノ」ではなく、自然と人の手から生まれた"暮らしのパートナー"です。正しいケアをすることで、その魅力をより深く、より長く味わうことができます。

どうぞ、自然の色とともに、日々の暮らしに彩りと安らぎを添えていただければ嬉しく思います。

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